「月読」と書いてツクヨミと読むが、一体この月をどう読めば良いのか?と疑問に思ったことはないだろうか。
実は、ここには生き方を決める上で大切な教えが秘められている。
今回は、月読の仕方と人生への応用方法について書いていこう。
あなたの生き方を考える時の参考にして欲しい。
月読とはどういうことか?
月が出るのは夜だ。つまり、人生の中でも暗く落ち込んだ時期を表している。人生の夜道を月明かりが照らしてくれていると考えて欲しい。辛い状況をどう読んで進めていくのか?というのが、月読の本題。
満月の時には月明かりが強くなるため、足元が割と良く見える。だから、暗中模索でもなんとか進んでいくことが出来る。対して、月が欠けている時の明かりは暗く、より不利な状況下でリスクを背負うことになる。つまり、コツコツ道を進むか?賭けに出るか?の違いがあるのだ。
月には「満ち」た時と「欠け」る時があり、それぞれは、言霊として「道」と「賭け」に対応している。要は、人生上のつらい時期に、コツコツと道を歩み続けるのか?それとも賭けに出るのか?を見極めるということ。
これが月読の方法論的な意味になる。では、実際にどう月読していけば良いのか解説していこう。
経済の成長期と低迷期に対して月読すると?
過去の日本に起きた経済成長期。この時期には、企業に勤めていれば必ず昇給し、終身雇用で人生をある程度保証されていた。この時には果たして道を歩むべきか?賭けに出るべきか?
答えは、「賭けに出る」だ。なぜなら、この賭けには勝つことが決まっているから。だから、学習塾や大学などに多額の養育費を「ベット」することが正解だったわけだ。
では、今のように経済が低迷期の状態ではどうだろう。いくら養育費をかけたとしても、子供の未来は到底保証されようがない。結局は本人の能力や魅力次第だし、終身雇用もない。勤めた企業が倒産するかもしれないし、賃金はあまり上がらないまま。稼いだなら稼いだだけ、税金が割高になっていく。
だから、この時の答えは「コツコツ道を歩む」だ。保証のない未来に対して多額の養育費をかけるというのは、ハイリスク・ローリターンの賭け事である。そのキャリアの中に特別やりたいことがないのであれば、できるだけ養育費をかけず、借金をせず、コツコツ働いて資産構築し、結婚すれば良い。
個人の人生について月読すると?
人生にも上がり調子の時と下り調子の時がある。
上がり調子の時には、自分が持っているリソースをベットしても良いだろう。失敗しても取り返しがつくし、失敗から学ばなければならないこともある。調子の良い時はチャンスだと思って、ガンガン挑戦し、壁にぶつかり、失敗して、学んで、成長して、また挑戦して…を繰り返せば良い。
下り調子の時には、あれこれと手を出すべきではない。もちろんリスクを背負わなければならないことも時にはあるだろうが、プラスαのベットを追加していくのはオススメできない。外側に何かを追加していくより、内側の事柄を片付けたり、鍛錬を積んで洗練させることの方が大切だ。
賭けに出る時には欠けた月だから、月明かりは乏しく、その先は良く見えない。つまり、堅実ではない状態に身を投げるということ。対するコツコツ道を歩む時は、地道ではあるが、堅実で、その先の未来はより確実なものとなっていく。攻めの時期と守りの時期と捉えてもいいだろう。
月読の中身は単純だが、それをする人は少ない…。
「月読とは、攻めと守りの見極めである。」こう言ってしまうと、なんだそんなことかと思うかもしれない。しかし、実際に月読をしている人たちはいるのだろうか?
先に上げた例に多額の養育費をかけるかどうか?という話をしたが、この経済低迷期が長く続いている日本だというのに、大学への進学を望む人は後を絶たない。彼らの多くは奨学金を借りて返済しながら働くから、フルタイムのアルバイトよりも実際の手取り額は少なくなる。
奨学金の借入額は平均300万円程度。返済額は400万円程度になるだろう。在学中に一人暮らしをする者もいる。どんな贅沢なんだろうか。大学に500万円かけてもその後がどうなるかわからないのなら、50万円をかけて読書をした方が良い。その方が、この低迷時代に道を拓く知恵がつくだろう。
月読という言葉に特別感を持つことはない。しかし、それは今回例に上げたようなことについて考えるのを当たり前とするべきだ、ということだ。今の時代やあなたの状況が、果たして昼なのか夜なのか?満月なのか欠けた月なのか?くらいは判別できるようになるといいだろう。そこからの判断が利く。
それでは、ありがとうございました。