生老病死の四苦を受け入れることができれば、生活、身体、人生が整う

人生

「良薬は口に苦し」という言葉がある。仏教の教えの一つである生老病死は「四苦」とも呼ばれているが、この4つを単なる苦しみとして捉えるだけではもったいない。これは成長の大きなチャンスなのだ。

成長には苦しみが伴う。そして人は、苦しみを遊びとして楽しむ能力を持っている。この世に存在するゲームや娯楽の殆どには課題があり、その苦しみを乗り越える中で楽しむように出来ているのだ。それらを楽しむことが出来るのであれば、人生の中にある生老病死も楽しみの一つとして成長していける。

ポイントは、「能動的に楽しむ」ということ。四つの苦しみを嫌なものとして見て見ぬふりをした場合、人は単に苦しむだけで終わるどころか、その苦しみを大きくしてしまう。なら、楽しんで、遊んで、成長したほうが良い。そうすることで、苦しみの大きさは小さくなるし、より魅力的な人になれる。

今回は、生老病死とどの様に向かい合い、受け入れれば良いのか?について解説していこう。今回の話を参考に、自分で四苦と向き合い、楽しく成長していける人生にしてもらいたい。

生老病死を受け入れることの効能

生老病死とは、生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病む苦しみ、死ぬ苦しみ、この四苦のこと。つまり、これだけでも人生には「4つの成長ポイント」があるということを指す。この4つがどういうことか?を考えていけば、それらが単なる苦しみではないことが良く分かる。

生まれるということは、そこから生きていけるということ。老いるということは、経験を積んで成長するということ。病むということは、特に心のことで言えば悩むということ。死ぬということは、その死に方によっては人生で最も他人を感化させることが出来る重要なタイミングである。

これらと能動的に向き合い、受け入れることができれば、それぞれが成長のチャンスであることが分かる。それぞれの課題をこなし、小さな一つ一つの問題を解決していくことで、生活態度・美容健康・精神のあり方・生き方などの答えに近づいていくことが出来るのだ。

良薬の苦さをそのまま避ければ、だんだんと病める苦しい人生に近づいていく。しかし、日々その良薬の苦さである生老病死を活用することで、人は成長する。より良い人生を送り、より良い老い方をし、より良い苦悩を抱き、より良い死に方をするだろう。

生老病死からの成長を促す仕組み

生老病死と能動的に向き合うと良いと言ったが、具体的にどう向き合えば良いのかを解説しよう。

生・老と病・死は、陰陽の様な関係性を持っている。生・老は「この様に生きてこの様に老いていきたい」という陽の働きを持っていて、それだけでもある程度成長していける。そこに病・死の「病気になりたくない・早死や苦しい死に方はしなくない」という陰の働きがあることで、生老の中身が変わる。

要は、単に望むだけでは失敗するということ。人がなりうる病気や苦しい死に際について知らなければ、人は「美味いものを好きなだけ食べて死にたい」という堕落した考えに陥る。そして結局は早く老い、病気になり、苦しい日々と死に際を経験することになる。これは生老病死の四苦そのままだ。

だから、病・死の2つを大切にして良く学び、生・老の願いを更新し続けると良い。放って置くと、人は病気になってから目覚めるが、それでは大変な苦労と時間、それからお金を要する。そしてそのまま死んでしまう場合もあるし、助かっても後遺症を背負うことになるかもしれない。

生老病死の四苦を四徳へ昇華させる

生老病死は確かに苦しみの側面を持っている四苦だ。しかしそれは、良薬口に苦しで、「4つの良薬」でもあるのだ。では、それは一体誰にとっての良薬なのだろうか?

まず自分が成長してより良い人生を送ることが出来ることは話した。しかし、そこから周りにいる他人にも影響があることを忘れてはならない。これは仏教の教えである「機」や「縁」このことである。そして実際に生老病死を昇華した時には、4つの要素で他人を感化する「四徳」とすることが出来る。

人や世の中の役に立つことで徳のある生き方をする。美しく格好良く老いることで人に憧れを与える。自分のことで病んでいた状態から、他人や世の中のことで病むようになる。そして、意味のある死に際を決行する。

この時、自分個人の苦しみは既に無くなっている。自分の生老病死ではなく、人様の生老病死で苦しむこと。これが「仏の道」というものだろう。

苦しみを受け入れ人を助ける仏の道

「苦しみを受け入れる」というのは、それにどっぷり使って流されるということではない。苦しみ受け止め、自分の中で扱うということだ。そこから初めて一つ一つの問題が見えてきて、解決や成長へ向かうことが出来るようになる。

そして、物事の善し悪しや、実際の解決方法が分かるようになってくる。ここまで来れば、自分の個人的な四苦からは卒業だ。そこからも苦しみは続くことになるが、それは人様が抱える世の中の生老病死のことなのだ。

つまり、「生老病死を受け入れる」ということを突き詰めていくと、この世に生きる人々が抱える様々な問題を受け入れるということになる。四苦であれば、特に人生上の美容健康と精神の問題、それらを解決していく偉い人へと成長する第一歩のことなのだ。

あなたにも大切な人がいるだろう。いなければ自分ごとでもよろしい。生老病死を向き合えば、立派な医者になれる。それは資格のことではない。他人を助けられる人になれるということだ。まずは自分で勉強・実践をしながら良し悪しと方法を学び、そして大切な人たちを導いていって欲しい。

それでは、ありがとうございました。

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